阿婆擦(読み)あばずれ

精選版 日本国語大辞典 「阿婆擦」の意味・読み・例文・類語

あば‐ずれ【阿婆擦】

〘名〙 (形動)
① 悪く人ずれがして、厚かましいこと。また、そのような人や、そのようなさま。現在では女性にいうが、古くは男女ともにいった。すれっからし。莫連(ばくれん)
浮世草子・当世芝居気質(1777)一「わるい事は、おぼえよく〈略〉播州から備中宮内へたたきまはる時分には、もう悪(アバ)ずれになり」
② 乱暴な言動。また、ふざけた行為。
随筆・皇都午睡(1850)三「あばずれするなをふざけなアンな」
[補注]「擦れ」は、「擦れっ枯らし」や「人擦れ」などの「すれ」だが、「あば」については語源が明確ではない。

あば‐ず・れる【阿婆擦】

〘自ラ下一〙 人ずれがして厚かましい行動をする。慎みなく、ふざける。
※歌舞伎・龍三升高根雲霧(因果小僧)(1861)序幕「あばずれたことをいふやうだが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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