闌曲・蘭曲・乱曲(読み)らんぎょく

精選版 日本国語大辞典 「闌曲・蘭曲・乱曲」の意味・読み・例文・類語

らん‐ぎょく【闌曲・蘭曲・乱曲】

〘名〙
① (「らんきょく」とも) 世阿彌の能楽論で、音曲の曲趣を五つに分類したうちの一つ。闌(た)けた位の音曲。祝言幽曲・恋慕・哀傷などのすべてにわたり、しかもすべてを超越した自在な曲風。
※五音曲条々(1429‐41頃)「音曲に祝言・幽曲・恋慕・哀傷・闌曲の五音曲是あり〈略〉闌曲者(といっぱ)高上の音声也」
謡曲一節で、独吟などにするために、謡い手の自在な技法を聞かせるのにふさわしい部分を独立させた曲。全曲としては廃され、クセを中心とした部分だけ残された例が多い。曲舞(くせまい)

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