関本宿(読み)せきもとしゆく

日本歴史地名大系 「関本宿」の解説

関本宿
せきもとしゆく

[現在地名]南足柄市関本

古代の坂本さかもと駅の後身中世の宿。建久元年(一一九〇)一〇月五日、源頼朝は上洛の途中「於関本辺、陸奥目代解状到来」し、当宿で奥州の地頭などの所務について沙汰している(吾妻鏡)。承久の乱に敗れ幕府軍に捕らえられた藤原範茂は、鎌倉護送の途中、承久三年(一二二一)七月一八日、足柄峠を越え当宿に着くが、護送役の北条朝時に願い、宿近くの谷川に身を沈め一命を絶った(承久記)。貞応二年(一二二三)の「海道記」には宿の様子を「関下の宿をすぐれば、宅をならぶる住民は人をやどして主とし、窓にうたふ君女は客をとどめて夫とす、憐れむべし千年の契を旅宿一夜の夢に結び、生涯のたのしみを往還諸人の望にかく」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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