関係・関繋・管係(読み)かんけい

精選版 日本国語大辞典 「関係・関繋・管係」の意味・読み・例文・類語

かん‐けい クヮン‥【関係・関繋・管係】

〘名〙 二つ以上の物事が互いにかかわりあうこと。また、そのかかわりあい。
① (━する) ある物事が、他の物事に影響すること。また、その影響。
史記抄(1477)一五「天下の大事に関係した者は」
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉九「職業の貴賤は、人品の高下に関係せざる事を知るべし」 〔鶴林玉露‐一五〕
② (━する) ある物事が、他の物事につながりを持つこと。また、そのつながり。
※藤樹文集(1648頃)四「此事於吾道関係尤為大焉」
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「イヤイヤどうでも医業に関係(クヮンケイ)しておっては」
③ 人と人との間柄。かかわりあい。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「しかし君と我輩とは親友の関繋(クヮンケイ)ぢゃ無いか」
④ (━する) 男女が肉体的な交わりをすること。情交
※地獄の花(1902)〈永井荷風〉一四「笹村はそも何時(いつ)頃から夫人と関係して居たのであらうか」
⑤ (多く名詞の下に付けて) その方面。そういう分野。「教育関係の仕事」「繊維関係の会社」
⑥ 集合A、Bの直積 A×B の部分集合のA、Bに対する称。すなわち、A×B の部分集合Rを、Aの元とBの元との関係という。A×B の元(a, b)は、Rに属するとき、関係Rにあるといわれる。AとBとが等しいときは、Aの上の関係ということがある。
[語誌](1)中国、宋代以降の口語語彙と思われる。
(2)中世以降、日本でも「史記抄」などの抄物では中国の用法に沿う①の意の例が見られる。しかし、幕末に、蘭学系統の人たちが②の意味に用いはじめ、その後、「哲学字彙」を経て定着した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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