門渡(読み)とわたる

精選版 日本国語大辞典 「門渡」の意味・読み・例文・類語

と‐わた・る【門渡】

〘自ラ四〙
① 川や海峡を渡る。海や空の向こうへ渡る。
万葉(8C後)六・九八三「山の端のささらえ壮子(をとこ)天の原門度(とわたる)光見らくしよしも」
アリが一筋の細い行列をなして通る。
※人情本・花筐(1841)四「貴賤の群集引きも切らず、途渡(トワタ)る蟻に髣(さもにた)り」

と‐わたり【門渡】

〘名〙
① 川や海峡を渡ること。海や空の向こうへ渡ること。
※頼政集(1178‐80頃)上「もろともにとわたりすなり郭公ゑじまへいなばなく声もせじ」
漁師として、新しくやってきたこと。新参
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉六二「新来(トワタリ)のものは汝には得使はれぬは」
③ =ありのとわたり(蟻門渡)③〔書言字考節用集(1717)〕

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