長沢二郎(読み)ながさわじろう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長沢二郎」の意味・わかりやすい解説

長沢二郎
ながさわじろう

[生]1932.2.2. 静岡,沼津
[没]2010.3.23. 東京
水泳選手。競泳バタフライドルフィンキック考案者。旧制沼津中学校から早稲田大学高等学院を経て早稲田大学に進む。早稲田大学在学中の 1952年,ヘルシンキ・オリンピック競技大会 200m平泳ぎで 6位に入賞したが,オリンピック候補入りを目指す猛特訓で膝を痛めた。1954年5月,早稲田の 4連覇がかかった日本学生選手権水泳競技大会に向けバタフライの練習をしていたとき,膝の痛みをしのぐため上下に水をける泳法を試みて大きくタイムを伸ばした。当時のバタフライは両手チョウの羽のように広げて水をかくが,足は平泳ぎの蛙足だったため膝に負担がかかった。1ストローク 2キックのドルフィンキックはこうして生まれた。ドルフィンキック考案後,16の世界新記録を打ち立て,引退後の 1964年には東京オリンピック競技大会競泳日本代表のコーチを務め,1993年国際水泳殿堂入りを果たした。

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世界大百科事典(旧版)内の長沢二郎の言及

【水泳】より

…現在は1ストローク,2キックが一般的である。ドルフィンキックを完成させたのは長沢二郎であった。彼はヘルシンキ・オリンピック大会当時ひざを痛めて,カエル足のバタフライができなくなり,ドルフィンキックを考え出したという。…

※「長沢二郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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