長堀堰
ながほりぜき
白川を西置賜郡飯豊町松原で堰止めて汲上げ、松原の北側を通って東へ進み、同町添川の下町・東山を経て丘陵山裾をめぐって上小松・中小松・下小松一帯に及び、さらに高豆蒄・黒川・高山に及ぶ約一一・五キロの灌漑用水。上・中・下の小松村ではもとはいずれも犬川の水を用いていた。しかし犬川は融雪期には増水するが、夏季には渇水し、時には伏流してしまう川であった。そのため上流の上・中の小松村で水を利用してしまうと、下小松村ではまったく水を引けない状態であった。下小松村の島貫源兵衛は寛永二年(一六二五)源右衛門堀の加堰として長堀堰を掘削することを計画した。源右衛門堀は元亀二年(一五七一)添川村稲荷堂の源右衛門が白川に取水口を設け、堀幅一尺の用水路を造成したものであった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報