20世紀日本人名事典 「金田一 春彦」の解説
金田一 春彦
キンダイチ ハルヒコ
昭和・平成期の国語学者,邦楽研究家 津田日本語教育センター顧問。
- 生年
- 大正2(1913)年4月3日
- 没年
- 平成16(2004)年5月19日
- 出生地
- 東京市本郷(現・東京都文京区)
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学国文科〔昭和12年〕卒
- 学位〔年〕
- 文学博士
- 主な受賞名〔年〕
- 芸術祭賞(文部大臣賞 レコード部門)〔昭和39年〕,NHK放送文化賞〔昭和52年〕,紫綬褒章〔昭和52年〕,芸術選奨文部大臣賞〔昭和58年〕,毎日出版文化賞〔昭和58年〕,勲三等旭日中綬章〔昭和61年〕,文化功労者〔平成9年〕,東京都名誉都民〔平成13年〕
- 経歴
- 言語学者・金田一京助の長男。京都産業大学教授、名古屋大学教授を経て、昭和34年東京外国語大学教授。45年学園紛争で辞任、49〜59年上智大学教授、のち武蔵野女子大学教授などを歴任。方言、アクセント、音韻史を専門とする言語学者で、日本の童謡にも深い関心をもつ。52年NHK放送文化賞、57年度芸術選奨文部大臣賞など受賞。平成13年東京都名誉都民に顕彰される。昭和57〜60年国語学会代表理事も務めた。また、「平家物語」及び平曲の研究家としても第一人者で、自ら平家琵琶も演奏する。平成9年には平家琵琶の譜の読み方、奏法、解説、歴史などを説いた「平曲考」を刊行。10年初の作曲集「白いボート」を刊行。ほかに「明解国語辞典」はじめ、「十五夜お月さん」「日本語方言の研究」「日本語セミナー」(全6巻)「日本語〈上・下〉」「日本語音韻音調史の研究」「日本語のこころ」、エッセイ集「ケヤキ横丁の住人」など著書多数。15年より「金田一春彦著作集」(全12巻・別巻1 玉川大学出版部)が刊行される。クイズ番組やカラオケ大会などテレビにも出演。平成8年山梨県大泉村に方言に関する図書や自筆の研究ノートなど約2万点を寄贈、10年同村にそれらを収蔵した金田一春彦ことばの資料館が開館した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報