金心寺庄(読み)こんしんじのしよう

日本歴史地名大系 「金心寺庄」の解説

金心寺庄
こんしんじのしよう

中世、金心寺とその寺領を中核として成立した庄園。単に金心寺、てら庄・寺之てらの庄とも記される。金心寺は七世紀中頃、現屋敷やしき町域に創建と推定されており、庄域も屋敷町を中心とした一帯に比定される。弘安五年(一二八二)五月一二日の尾藤頼氏等連署去文案(祇園社記)に「摂津国金心寺庄」とみえ、長福ちようふく寺後家(法師大座女)から越中局(法師大座孫、尾藤頼氏らの母)へ相伝され、同局の死去後に小野氏女に譲与されている。至徳三年(一三八六)と推定される金心寺庄相伝系図(八坂神社文書)によれば、金心寺は僧真覚―覚修―延秀―宗覚―大法師ー叡円―大江氏女―藤原氏女と伝領されていたが、京都祇園の大座字法師女の行部氏女が他の数ヵ所とともに買得し、娘の長福寺後家から姪の越中局を養子にして譲られていた。越中局死去後には長福寺後家の遺志によって法師大座の孫で長福寺後家姪の小野氏女に譲与された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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