金平浄瑠璃・公平浄瑠璃(読み)きんぴらじょうるり

精選版 日本国語大辞典 「金平浄瑠璃・公平浄瑠璃」の意味・読み・例文・類語

きんぴら‐じょうるり ‥ジャウルリ【金平浄瑠璃・公平浄瑠璃】

〘名〙 江戸初期、明暦~寛文一六五五‐七三)頃流行した人形浄瑠璃の一つ。江戸の和泉太夫(のち桜井丹波椽)、長太夫父子が語り出したもので、坂田金時の子に金平という架空の人物を設定し、その武勇譚を中心にした物語を語った。鉄棒拍子をとり、人形の首を引き抜き、張り物の岩をたたき割るという荒々しい演出で、戦国遺風の残存した江戸の人気に投じ、上方にまでも及んだが、元祿一六八八‐一七〇四)頃衰滅した。作者に岡清兵衛、作品に「金平天狗問答」「金平北国責」などがあり、歌舞伎の市川団十郎の荒事芸にも影響を与えた。また広く同様の性格の浄瑠璃を含めていう場合もある。きんぴら。きんぴらぶし。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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