重栖庄(読み)おもすのしよう

日本歴史地名大系 「重栖庄」の解説

重栖庄
おもすのしよう

重栖川流域にあった摂関家領庄園。正応三年(一二九〇)と推定される宝帳布所進諸庄目録(近衛家文書)諸国の摂関家領庄園とともに布を進上した庄園の一つとして「一段 重栖」とみえる。同じく嘉元三年(一三〇五)四月と推定される摂渡庄目録(九条家文書)には法成ほうじよう(跡地は現京都市上京区)領として隠岐国重栖庄とあり、田二五町で年貢は鉄六〇〇挺。古代の隠地おち河内かむち郷を開発するなど新しく所領を成立させた在地の有力者が摂関家に寄進して庄園となったもので、その時期は平安末期までさかのぼると推定される。年貢が鉄であったことは注目され、かつては砂鉄が採集されたことを意味するものであろう。暦応五年(一三四二)正月日の摂渡庄目録(同文書)には嘉元三年目録と同様の記載に加え、政所親俊、地頭請所、公用三〇貫の注記があり、庄園支配および庄園年貢の納入地頭請負となり、銭三〇貫が摂関家に納入される仕組になっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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