精選版 日本国語大辞典 「仕組」の意味・読み・例文・類語
し‐く・む【仕組】
〘他マ五(四)〙 (「し」はサ変動詞「する」の連用形。「しぐむ」とも)
① 物事を組み立てる。企てる。計画する。
※評判記・難野郎古たたみ(1666頃)序「わがやどもとをしらせずよそをおしへわきやどをたのみしくみ申事多し」
※浮世草子・好色盛衰記(1688)三「女房どもにもよくよく仕組(シクミ)て田舎大じんの気を取ける」
② 芝居、歌舞伎などの筋を組み立てる。趣向を考える。脚色する。また、配役を決める。
※俳諧・物種集(1678)「味に仕組た岩角の浪 ふたらくや二番つづきの紀三井寺〈木因〉」
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「河竹さんに脚色(シク)ませて一幕かかせて仕初に見せるなんぞといふ趣向は」
③ 中に入れる。組み込む。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「瓦斯管に鼓風蛇管を仕組たる器械を執て」
④ 男女がまじわる。交合する。
※咄本・当世手打笑(1681)五「或所に、亭主おかたとしぐみて、やうやう矢かずも通り」
し‐くみ【仕組】
〘名〙 (動詞「しくむ(仕組)」の連用形の名詞化。「しぐみ」とも)
① 計画。企て。くふう。
※三藐院記‐文祿三年(1594)五月八日「其上山川まてのしくみとて、かいかたと云所へ船を着る」
② 物事の組立て。構造。機構。
※学問のすゝめ(1872‐76)〈福沢諭吉〉七「従来其国に行はれたる政治の仕組を一度び覆へすは」
③ 演劇、戯曲または小説などの組立て。趣向。脚色。また、演劇で開演に先だって行なう稽古などをもいう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※浮世草子・好色一代女(1686)四「移変る芝居の噂狂言のうまひ仕組(シグミ)を実(まこと)に見なし」
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