里長(りちょう)(読み)りちょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「里長(りちょう)」の意味・わかりやすい解説

里長(りちょう)
りちょう

古代律令(りつりょう)制下の地方行政区画の単位である里の長。「さとおさ」とも読む。律令の規定には、白丁(はくてい)(無位無官の良民)のなかから清正強幹な者をあて、戸口検察農桑の課殖、非違禁察賦役の催駈(さいく)を職掌とするとあり、『万葉集』には、「楚(しもと)(笞)取る五十戸良(さとおさ)」(892)、課役を徴収する「五十戸長(さとおさ)」(3847)がみられる。715年(霊亀1)の郷里制施行によって、里長は郷長とされ、その下に里正(りせい)が置かれた。

大町 健]

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