酸化ジュウテリウム(読み)サンカジュウテリウム

化学辞典 第2版 「酸化ジュウテリウム」の解説

酸化ジュウテリウム
サンカジュウテリウム
deuterium oxide

D2O(20.03).重水ともいう.重水という場合は,軽水素17O,18O の化合物もさすことがある.普通の水にH218O0.17%,H217O0.037%,HD16O0.032% 含まれている.水の電気分解を反復することにより濃縮され,100% D2Oもつくられる.融点3.82 ℃,沸点101.42 ℃,臨界温度371.5 ℃(H2O374.2 ℃).融解熱6.280 kJ mol-1(H2O6.01 kJ mol-1).蒸発熱42.648 kJ mol-1(H2O40.66 kJ mol-1).25 ℃ における粘度はH2Oの1.23倍.化学反応機構解明原子炉中性子減速材,他の重水素化合物の原料などに用いられる.[CAS 7789-20-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「酸化ジュウテリウム」の解説

酸化ジュウテリウム

 →重水

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世界大百科事典(旧版)内の酸化ジュウテリウムの言及

【重水】より

…ふつうの水H2Oの水素原子Hを重水素原子D(ジュウテリウム)で置きかえた化合物。D2O(酸化ジュウテリウム)と書かれ,ふつうの水より比重が大なのでこの名がある。1931年アメリカのH.C.ユーリーらによって重水素の研究と関連して見いだされたもので,第2次大戦までは物理・化学的研究の対象にすぎなかったが,原子力の研究の発展とともに,原子炉の中性子減速剤としてt単位の大量の需要が生じ,現在は工業的に生産され,市販もされている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」