酒人郷(読み)さかひとごう

日本歴史地名大系 「酒人郷」の解説

酒人郷
さかひとごう

和名抄」に訓はない。東南院文書に当郷に関する史料がある。

<資料は省略されています>

この史料は摂津国家地売買公験案と総称される六通の文書の一通で、香山薬師寺が当郷内にあった三町二反余の庄地を勅旨省に七〇〇貫文で売却し、売主が東生ひがしなり郡と摂津職正式の承認を求めたものの写である。この土地はもと安宿王の地であったが天平勝宝四年(七五二)東大寺に売却され、天平宝字四年(七六〇)に東大寺から香山薬師寺に売られ、神護景雲三年(七六九)に勅旨省に渡った。さらに延暦二年(七八三)にはこのうちの一町五反が勅旨省から東大寺に移っている。このような激しい所有主の変化は、この土地が当時の西国からの物資の集中する場所であり、経済的に重要な堀江ほりえ(現大川)に北接していて物資の集散に便利であったからである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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