都城(市)(読み)みやこのじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「都城(市)」の意味・わかりやすい解説

都城(市)
みやこのじょう

宮崎県南西部、都城盆地の中心部に位置する市。1924年(大正13)市制施行。1936年(昭和11)沖水(おきみず)、五十市(いそいち)の2村、1957年(昭和32)志和池(しわち)村、1965年荘内(しょうない)町、1967年中郷(なかごう)村を編入。2006年(平成18)北諸県(きたもろかた)郡山之口町(やまのくちちょう)、高城町(たかじょうちょう)、山田町(やまだちょう)、高崎町(たかざきちょう)を合併。もとは都島(みやこじま)と称したが、中世島津(しまづ)氏が築城するに及んで都城と改称した。内陸盆地ながら、広く沖積地、台地が展開し、大淀(おおよど)川は盆地内支流、沖水川、萩原(はぎわら)川、庄内(しょうない)川などの水を集めて北流する。東部は日南(にちなん)山地、北西部は霧島山高千穂峰(きりしまやまたかちほのみね)(1574メートル)がそびえる。JR日豊(にっぽう)本線、吉都(きっと)線、国道10号、221号、222号、223号、269号、宮崎自動車道が通じる交通の要衝である。

 古代駅島津、荘園(しょうえん)島津荘の中心地であり、同荘三俣院(みまたのいん)もあった。のち島津氏は鹿児島に移ったものの、近世は都城領として盆地一帯を領した。県南西部の商工業の中心地で、その商圏県境を越えて鹿児島県霧島(きりしま)市・曽於(そお)市に延びている。主市街地は国道10号に沿う中央通りで南北に長いが、近年は東部三股(みまた)町、西部蓑原(みのばる)方面に住宅地が拡大している。農業は肉用牛、ブロイラーなど畜産が主で、特産物としては、深い霧に恵まれるため良質の茶が栽培され、また木工、家具などがある。郷土芸能には安久節(やすひさぶし)、熊襲踊(くまそおどり)などがあり、後者は県指定無形民俗文化財となっている。観光地は国指定天然記念物の関之尾(せきのお)の甌穴(おうけつ)で知られる関之尾滝母智丘(もちお)の桜などがある。面積653.36平方キロメートル(一部境界未定)、人口16万0640(2020)。

[横山淳一]

『『都城市史』(1970・都城市)』『『都城市史』全17巻(1996~2006・都城市)』


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