精選版 日本国語大辞典 「都・京」の意味・読み・例文・類語
みや‐こ【都・京】
〘名〙 (「みや」は宮、「こ」は場所の意か。→補注)
① 皇居のある土地。天皇が仮居した行宮(あんぐう)などもいう。
※書紀(720)景行一二年九月(北野本訓)「豊前国(とよくに)の長峡県(なかさのあかた)に到(いた)りて行宮(かりみや)を興(をき)て居(ましま)す。故(かれ)其処(そのところ)を号(なつ)けて京(ミヤコ)と曰(い)ふ」
※万葉(8C後)五・八四八「雲に飛ぶ薬はむよは美也古(ミヤコ)見ばいやしき吾(あ)が身またをちぬべし」
※徒然草(1331頃)一四一「吾妻人こそ、言ひつる事は頼まるれ。都の人は、ことうけのみよくて、実(まこと)なし」
③ 何かを特徴としたり、何かが盛んに行なわれることで、それを中心として人の集まったりする都会。「杜(もり)の都仙台」「音楽の都ウィーン」など。
④ 絹綿交織物の一つ。経(たていと)・緯(よこいと)に中番の諸撚綿糸または瓦斯糸ないしシルケット糸を用い、縞糸に綿糸、綿紡糸、柞蚕(さくさん)糸などを用いて大柄または中柄の縞を表わしたもの。着尺地用とする。
⑤ 「みやこづめ(都詰)」の略。
[補注]キリシタン文献ではミアコの形も見られる。
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