邑智町(読み)おおちちよう

日本歴史地名大系 「邑智町」の解説

邑智町
おおちちよう

面積:一八五・八九平方キロ

邑智郡北東部に位置し、北は大田市、西は川本かわもと町、南は大和だいわ村、東は飯石いいし赤来あかぎ町・頓原とんばら町に接する。周囲を急峻な山々に囲まれ、町域東部に充満いずみ(七一八・五メートル)、南端部に石見山(六二八・八メートル)などの高山がある。江川が南部から中央部を経て南西部へと蛇行しながら流れ、沢谷さわだに川・尻無しりなし川・君谷きみだに川などの支流がこれに注ぎ、耕地はこれらの流域に広がる。町域中央部やや北寄り、江川北岸の粕淵かすぶちが当町の中心街をなし、JR三江線と国道三七五号の結節点となっている。原始時代の遺跡は江川の流域を中心として点在し、簗瀬やなぜの河岸段丘上に立置する簗瀬遺跡縄文弥生・古墳時代の集落遺跡として知られる。町域は古代から現在に至るまで邑智郡に所属し、「和名抄」にみえる同郡佐波さわ郷の郷域に比定される。吾郷あごうに鎮座する天津あまつ神社は「延喜式」神名帳にみえる邑智郡三座のうちの同名社に比定される古社である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報