遠見櫓跡(読み)とおみやぐらあと

日本歴史地名大系 「遠見櫓跡」の解説

遠見櫓跡
とおみやぐらあと

[現在地名]中区錦二丁目

見所火の見櫓・火の見所ともいう。府下第一の火の見櫓と称せられた(金鱗九十九之塵)。享保一二年(一七二七)一二月の設置(府城志)。高さは二七間、頂上は九尺四方。同年一二月一九日より先手組火事番足軽二人ずつが、昼夜遠見の任務についた(編年大略)。三の丸曲輪(現三の丸)付近で出火の場合は、板木半鐘を交えて連打。西は押切おしきり(現西区)、東はしん(現東区)、南は広小路ひろこうじを限りとした域内の火事の場合は、板木を三点ずつ連打。下屋敷しもやしき(現東区)建中けんちゆう(現東区)広井ひろいの藩倉(現栄一丁目)辺りのときには板木を数多く、しかも速く鳴らした。城下から離れた熱田枇杷島びわじま(現西区)の火事には、板木を緩やかに打った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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