遠因犠牲者(読み)えんいんぎせいしゃ

知恵蔵mini 「遠因犠牲者」の解説

遠因犠牲者

事件事故災害など、死亡の理由になったと考えられる対象はあるが、それらにより直接的に死に至ったわけではない犠牲者のこと。直接的被害で死亡した人を「直接被害者(直接死)」、発生時に受けた傷などが原因となり後に死亡した人を「関連被害者(関連死)」というが、これらより関連性が低いと考えられるものを「遠因犠牲者(遠因死)」と呼ぶ。例として、震災による環境変化が原因で病没したと考えられる人、事故や戦争により心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神障害に陥り自殺した人などが挙げられる。阪神淡路大震災(1995年)では、遠因犠牲者も2003年12月より犠牲者慰霊施設「慰霊と復興モニュメント」に名前が刻まれるようになった。

(2017-4-27)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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