日本大百科全書(ニッポニカ) 「進歩党(アメリカ)」の意味・わかりやすい解説
進歩党(アメリカ)
しんぽとう
Progressive Party
アメリカの政党。20世紀に入ってアメリカには、この名を冠した政党が三度、既成二大政党内の批判勢力によって結成された。いずれも大統領選挙に敗れて短期間に消滅したが、進歩的な政綱を掲げ、多数政党の政策変更に一定の役割を果たした。1912年に共和党から分離、結成された最初の進歩党(革新党)は、同年、T・ルーズベルトを大統領候補にたて、関税改革、独占のより厳格な規制、上院議員の直接選挙などを主張した(1916解消)。また、ラフォレット共和党上院議員を大統領候補に、24年に結成された進歩党(正式には革新的政治行動委員会)は、鉄道の国有化、労働組合の団結権・団体交渉権の公認などを政綱とした(1925解消)。さらに、第二次世界大戦後の47年、民主党内の進歩派が分離して結成された第三の進歩党は、48年大統領候補にウォーレスをたて、トルーマン政権の冷戦外交、国内治安対策を批判し、対ソ穏健外交、社会福祉、公民権の拡充を主張した(1952解消)。
[紀平英作]