連飛(読み)れんとび

精選版 日本国語大辞典 「連飛」の意味・読み・例文・類語

れん‐とび【連飛】

〘名〙
① 曲芸軽業の一種。輪を飛び潜るなどするもの。また、その形をした人形
※評判記・美夜古物語(1656頃)「宮内佐々木、吉郎兵衛が女がた、れんとびくもまひ、などと、聞わくべくもあらずぞ」
宿場などの私娼をさしていう。一寸間遊(ちょんのまあそび)で気ぜわしく、切り時刻が迅速だったのが①に似るからか。また、手軽に買い得るところからとも。
※評判記・吉原あくた川名寄(1681)日本六十余州けいせい棚おろし「それよりはくさんにいたってはばいたはおかたの女郎本所よこほりにれんとびのみやが百をはしたの御神なり」
悪貨の一種。
浮世草子・世間手代気質(1730)四「両替屋の手代、しゃうかん、一歩細字、れんとび〈略〉万いきにくい金を、いきよい所で巻ちらす合点で」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の連飛の言及

【曲芸】より

…奈良時代に散楽の一部として大陸から伝来した曲芸・軽業的技術が,中世にいたって放下(ほうか)師(僧)によって専門的に演じられる芸となる。その種目は長さ30cm内外,太さ1cmくらいの竹の棒2本を持って打ち合わせたり曲取りをする〈筑子(こきりこ)〉や平安時代から盛んに行われていた曲芸で,鼓の胴の形をして中央のくびれた部分に紐を巻き,回転させたり,空中高く飛ばせて曲取りをしたりする〈輪鼓(りゆうご)〉,田楽芸の高足(たかあし)から転化した〈連飛(れんとび)〉とか〈曲鞠(きよくまり)〉〈品玉(しなだま)〉などがあり〈放下〉はこれらの総称ともなった。近世の見世物,大道芸に受け継がれて種目もふえる。…

※「連飛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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