通年採用制(読み)つうねんさいようせい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「通年採用制」の意味・わかりやすい解説

通年採用制
つうねんさいようせい

4月1日入社の定期一括採用に限定せず、9月や10月など年間をつうじての採用をルール化するもの。従来補充や引き抜きをねらった中途採用通年で行われていたが、新卒採用で踏み切る動きが出始めたのは、夏に卒業する海外留学生や就職浪人、第二新卒とよばれる20代の転職者の増加背景にある。採用する側でも、スピード経営が求められ、新卒を育てていくだけでは市場の変化に追いつけない時代を迎え、技術系など即戦力や多様な人材を求める企業がふえているという事情もある。1997年から就職協定が廃止され、またインターネットを使った募集方法や事業の国際化が広がりをみせるにつれて、定期一括方式は実態にあわなくなりつつある。すでに、上場全体の1割をこえる企業が通年採用を実施、または計画している。

[原 正輝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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