透・隙(読み)すき

精選版 日本国語大辞典 「透・隙」の意味・読み・例文・類語

すき【透・隙】

〘名〙 (動詞「すく(透)」の連用形の名詞化)
① 物と物との間のあいているところ。物のすきま。はなれめ。
※大鏡(12C前)二「ひとすぢをみちのくにがみにをきたるに、いかにもすきみえずとぞ、申つたへためる」
珊瑚集(1913)〈永井荷風訳〉ぴあの「細目にあけし窓のすきより」
② 時間のすきま。ひま。いとま。また、仕事のあいま。てすき。
御伽草子物くさ太郎(室町末)「柿梨、餠(もちひ)なんどをくれたらば、すきもなく食ふべし」
浮世草子世間娘容気(1717)四「針仕事の透(スキ)には、〈略〉伊勢物語薄雪の草子などを中音によみゐて」
③ 気のゆるみ。ゆだん。つけこむ機会。すきま。
源平盛衰記(14C前)三五「息はづめば馬の弱るに透(スキ)をあらせで、押し並べ押し並べて」
沈黙の塔(1910)〈森鴎外〉「必ず反動者の群がゐて隙を窺ってゐる」

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