退・斥(読み)しりぞける

精選版 日本国語大辞典 「退・斥」の意味・読み・例文・類語

しり‐ぞ・ける【退・斥】

〘他カ下一〙 しりぞ・く 〘他カ下二〙
① あとへひかす。ひきさがらせる。後ろへのかす。
※史記呂后本紀延久五年点(1073)「呂氏を誅する事を以て斉王に告げしめ、兵を罷(シリソケ)しむ」
武力腕力をもって、あとへひかす。撃退する。
平家(13C前)一〇「今度平氏の頸ども大路をわたされずは、自今以後なんのいさみあってか凶賊をしりぞけんやと」
③ おいやる。おいはらう。また、よせつけないで遠ざける。
※漢書楊雄伝天暦二年点(948)「王女を屏(シリソケ)宮妃を郤(シリソクル)ことを言ふ」
徒然草(1331頃)一八「おのれをつづまやかにし、おごりを退けてたからをもたず」
地位を落とす、またはやめさせる。官職をやめさせる。
※大唐西域記長寛元年点(1163)三「彼の輔臣を責め〈略〉或は黜(シリソ)け或は放ち」
⑤ 相手の主張・要求・願いなどをことわる。否定する。聞き入れないようにする。
東潜夫論(1844)王室山崎闇斎、是を嫉みて、尽く其言を絀(しりぞけ)て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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