追良瀬川(読み)おいらせがわ

日本歴史地名大系 「追良瀬川」の解説

追良瀬川
おいらせがわ

秋田県境の白神しらかみ山地水源とし、追良瀬集落付近で日本海に注ぎ、全長三三・七キロ。川の両側はすぐ山が迫り、低地はほとんどない。

正保二年(一六四五)の津軽郡之絵図に川名がみえる。貞享元年(一六八四)三月六日に「追良瀬之渡船拵候ニ大工無之候、鰺ケ沢ニ罷在候大工被遣度之由菊地四郎右衛門申立付、右之段成田伝兵衛方ヘ四郎右衛門断次第ニ相渡候様にと申渡之」とあり(津軽史)、渡船の利用が推測される。明治初年に「春は舟にて済し、夏日は徒行す、秋冬の際水涸れては柴橋を架て往来に便りす」とみえ(新撰陸奥国誌)、嘉永三年(一八五〇)の「東奥沿海日誌」に「幅雨天ニハ凡三四十間ニも成、平日は十五六間也(中略)少ニても水増時ハ往来を留る也と。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報