返事・返辞(読み)へんじ

精選版 日本国語大辞典 「返事・返辞」の意味・読み・例文・類語

へん‐じ【返事・返辞】

〘名〙
ことばを返すこと。また、返すことば。
(イ) もらった手紙や和歌、また、質問、問合わせなどに対して、答えて返す手紙、和歌、文書など。かえりごと。かえり。かえし。
落窪(10C後)一「たえて御かへりなし。〈略〉などかははかなきへんじをだに絶えてなき」
(ロ) 呼びかけられて相手に応じ返すことば。応答語。
※名語記(1275)二「物をいひふくむる返事に、あとこたふる」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「此アアといへるは女の返詞(ヘンジ)也」
(ハ) 諾否を答えること。承知か不承知かを言いやること。
洒落本・遊客年々考(1757)「先ちょっとしらせましょと呼にやり、返事はどふじゃと手をたたき」
② 贈り物の返礼。返礼の品。おかえし。
親元日記‐文明一五年(1483)五月一八日「先度就御状御礼也。御返事御太刀〈真次〉被之」
③ 遊里で、客から呼ばれること。お座敷がかかること。
※洒落本・北川蜆殻(1826)上「万助どん、返事はどこどこぢゃいなア」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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