転位(結晶)(読み)てんい

百科事典マイペディア 「転位(結晶)」の意味・わかりやすい解説

転位(結晶)【てんい】

ディスロケーション結晶における格子欠陥一種で,結晶の一部を一定方向にすべらせた場合に生ずる原子配列のゆがみ。すべった部分の輪郭転位線というが,すべりの方向に垂直な転位線の部分では原子配列のゆがみは刃状転位,すべりの方向に平行な転位線の部分ではらせん転位,その他の部分では両者のゆがみが重なる(混合転位)。転位は結晶の種々の物理的性質に影響を与える。たとえば結晶は結晶面上に成長層が渦巻状に二次元的に成長するが,その原因はらせん転位にある。
→関連項目金属組織学金属物理学

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android