踠・藻掻(読み)もがく

精選版 日本国語大辞典 「踠・藻掻」の意味・読み・例文・類語

もが・く【踠・藻掻】

(「藻掻」はあて字)
[1] 〘自カ五(四)〙
① もだえ苦しんで手足を動かす。あがく。他動詞的に「手足(体)をもがく」の形をとることもある。
浄瑠璃大経師昔暦(1715)中「わっと泣く泣く振上げて。打たんともがく杖の下」
② いらだつ。あせる。じりじりする。
浮世草子傾城色三味線(1701)鄙「どふやらなる様で、ならぬしかけしてもがかし」
[2] 〘他カ四〙 =もぐ(捥)(一)
高野山文書‐建治元年(1275)一〇月二八日・阿氐河庄上村百姓等言上状「くりかきを、とのひとを、をいのぼせ、をいのぼせてらせて、もかきめし候」

もがき【踠・藻掻】

〘名〙 (動詞「もがく(踠)」の連用形名詞化。「藻掻」はあて字)
① 苦しんで手足を動かすこと。あがき。
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉四「その凍えた体に最後努力と藻掻きとを試みてゐる兄弟が」
② 焦って物事をすること。無我夢中で行なうこと。一生懸命。
※浮世草子・傾城禁短気(1711)三「繁く通ひていよいよ募らせ、さあ客がもがきが来る最中ぞと見れば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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