足羽郡(読み)あすわぐん

日本歴史地名大系 「足羽郡」の解説

足羽郡
あすわぐん

面積:一三八・五五平方キロ
美山みやま

現在の足羽郡はかつての足羽郡・大野郡の一部からなり、郡域の大部分は北をけんヶ岳、東を飯降いいふり山、西を一乗いちじよう山の標高七、八〇〇メートルの山々に囲まれた山地である。

〔古代・中世〕

古代の足羽郡は越前国のやや北部に位置し、鎌倉時代までに分置された吉田郡を含んでいた。その主要部は九頭竜くずりゆう日野・足羽の三大河川が合流する福井平野で、北は坂井郡、東は越前山地で大野郡、南は文殊もんじゆ山系今立郡、西は日野川で丹生郡に接した。

和名抄(刊本郡部)は「安須波」と訓ずる。天平三年(七三一)二月二六日付越前国正税帳(正倉院文書)に「足羽郡」がみえ、同帳に「少領外正八位下勲十二等阿須波臣真虫」、天平神護二年(七六六)九月一九日付足羽郡司解(東南院文書)に「足羽郡少領外従八位下阿須波臣東麻呂」とみえる郡司級の阿須波氏のほか、同年一〇月二一日付越前国司解(同文書)には足羽小綿の名もみえる。地名を負う神社に「延喜式」神名帳に載る「足羽アスハ神社」があり、足羽山(現福井市)にある足羽神社に比定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報