足取(読み)あしどり

精選版 日本国語大辞典 「足取」の意味・読み・例文・類語

あし‐どり【足取】

〘名〙
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)四「足取手の内四寸八寸身のひらき、ふみこんで打入身の木刀
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「舞踏でもするやうな運歩(アシドリ)で」
③ 歩いた道筋。移動した経路。犯罪人が逃亡した経路をさしていうことが多い。あしあと。
※春の城(1952)〈阿川弘之〉三「知恵子の予定の足どりを追うて」
④ 物事の進みぐあい。時とともに移り変わっていく様子。
※若き日(1943)〈広津和郎〉六「三年の間にわれわれを教へる若い教授達の足どりがまちまちになって来てゐた」
⑤ 取引する物件の相場の動き具合。相場が騰貴の傾向にあるのを上げ足取り、または、高足取りといい、下落の傾向にあるものを下げ足取り、または、安足取りという。〔取引所用語字彙(1917)〕
⑦ 三味線音楽で、曲の中での緩急の変化。特に義太夫節でいう。

あし‐とり【足取】

〘名〙
① 足をとらえること。足をつかむこと。
※竹取(9C末‐10C初)「鼎(かなへ)の上より、手とり、足取して、さげおろしたてまつる」
相撲のきまり手の一つ相手片足両手でかかえ上げて、引き倒すか、土俵外へ出すこと。いっすんぞり。あしどり。〔相撲講話(1919)〕
レスリングで、相手の足を取って倒す技。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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