木刀(読み)きがたな

精選版 日本国語大辞典 「木刀」の意味・読み・例文・類語

き‐がたな【木刀】

〘名〙 木製の刀。ぼくとう
※高野本平家(13C前)一「うへは鞘巻の黒くぬりたりけるが、中は木刀(キガタナ)に銀薄をぞおしたりける」

ぼく‐とう ‥タウ【木刀】

〘名〙 木で作った刀。きがたな。木剣(ぼっけん)
史記抄(1477)五「利兵はあらばや、木刀の様なものぞ」

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デジタル大辞泉 「木刀」の意味・読み・例文・類語

ぼく‐とう〔‐タウ〕【木刀】

カシビワなどの木を刀の形に削った棒。多く剣術の稽古用。木太刀きだち。木剣。
[類語]竹光竹刀けんつるぎ刀剣太刀大刀たち大刀だいとう小刀しょうとう名刀宝刀軍刀牛刀日本刀青竜刀サーベル銃剣手裏剣真剣短刀懐刀ふところがたな懐剣脇差し小柄匕首あいくちどす人斬り包丁快刀業物木剣木太刀長刀なぎなた

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「木刀」の意味・わかりやすい解説

木刀
ぼくとう

木太刀(きだち)また木剣(ぼっけん)ともいう。木製の刀剣形で、刀装を模したものと、刀身を模した刃厚のものがある。古くは記紀に、敵をあざむくための木製の横刀(たち)の記事がある。中世、『太平記』(巻17)には、実戦用として、杉の木でつくった大太刀の記事がある。室町時代には剣技練磨の具として、『大友興廃記』や『北条五代記』に武術試合に木刀使用の記事があり、当時の剣術流祖所用の伝承をもつ遺物もある。『文明(ぶんめい)本節用集』には早く「木刀ボクトウ」の語が記載される。古流派には鞘(さや)付きの木刀もあった。江戸中期の正徳(しょうとく)~宝暦(ほうれき)(1711~64)のころの道場では、防具の整備により竹刀(しない)にその座を譲るまで使用された。以後は形(組太刀(くみだち))やひとり稽古(げいこ)で用いられ現在に至った。また江戸時代、中間(ちゅうげん)・小者(こもの)の佩刀(はいとう)の代用ともなっていた。現在の剣道用のものは、白樫(しらかし)、赤樫、枇杷(びわ)が適材とされ、103センチメートル程度とされている。

[齋藤愼一]

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普及版 字通 「木刀」の読み・字形・画数・意味

【木刀】ぼくとう

木の刀。

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