越谷(市)(読み)こしがや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「越谷(市)」の意味・わかりやすい解説

越谷(市)
こしがや

埼玉県南東部にある住宅都市。1958年(昭和33)市制施行。2003年(平成15)特例市に指定される。2015年、中核市に移行。昔の利根(とね)川の三角州地帯にあり、現在市域の東境を古(ふる)利根川中川、南境を綾瀬(あやせ)川、中央を元(もと)荒川が流れる。中心市街地(大沢、越ヶ谷地区)は元荒川の自然堤防上にある。JR武蔵野(むさしの)線、東武鉄道伊勢崎(いせさき)線、国道4号、463号が通る。江戸時代以来、穀倉地帯の中心地で、現在も米、ネギコマツナなどの野菜のほか、伝統工芸のだるまや桐たんすも生産される。江戸時代は奥州街道の宿場町で、2、7の日の六斎市場(ろくさいいちば)町でもあった。都心から25キロメートルしか離れておらず、そのうえ東京地下鉄日比谷(ひびや)線、半蔵門(はんぞうもん)線の乗り入れなど、交通機関が便利なため、急速に都市化し、水田地帯は一大ベッドタウン化しており、人口増加も著しい。元荒川沿いに宮内庁の埼玉鴨場(かもば)がある。第二次世界大戦前は関東一帯に生息していたシラコバトは、今日ではわずかに当市域周辺にみられるのみで、国の天然記念物に指定されており、埼玉県の県鳥。このほか、しらこば水上公園や、県指定天然記念物のフジがある久伊豆(ひさいず)神社なども知られる。面積60.24平方キロメートル、人口34万1621(2020)。

[中山正民]

『『越谷市史 史料編』全4巻(1972~1975・越谷市)』『『越谷市史 通史編』全2巻(1975、1977・越谷市)』『『越谷市史 続史料編』全3巻(1981~1982・越谷市)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例