賦役・夫役(読み)ぶやく

精選版 日本国語大辞典 「賦役・夫役」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐やく【賦役・夫役】

〘名〙 (「ふやく」とも) 人身に課税すること。特に労役を課すること。令制では調・庸・雑徭など人身課税を総称し、また課役とも称した。中世になると、次第に労役の徴発の意味となった。戦国時代には役人足を多く軍夫に使役したが、江戸時代には築城をはじめ川除(かわよけ)道普請などの土木工事に振り向けた。後には、労役を米・銀・銭で代納したが、助郷役や川普請役の場合は役夫を徴用して就労させた。ぶえき。
続日本紀‐天平宝字三年(759)九月丁卯「規避賦之苦、遠弃墳墓之郷
浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四「主君の威をかり、百性共を毎日三十人づつ夫役(ブヤク)につかい」

ぶ‐えき【賦役・夫役】

〘名〙 (「ふえき」とも)
① =ぶやく(賦役)〔文明本節用集(室町中)〕 〔魏志‐杜畿伝〕
地方公共団体公課一つ。労役を課すること。
府県制(明治三二年)(1899)一一二条「府県は其の必要に依り夫役及現品を〈略〉一部納税義務者に賦課することを得」

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