買込(読み)かいこみ

精選版 日本国語大辞典 「買込」の意味・読み・例文・類語

かい‐こみ かひ‥【買込】

〘名〙
品物などを先を見越して多く買うこと。
浮世草子西鶴織留(1694)二「借(かし)入の取まはし、小判の買込(カヒコミ)、銭の売置、一りんもそんずるといふ事なく」
岡場所で、売れるのを見込んで遊女茶屋が買っておくこと。また、その買い込まれた遊女。
※洒落本・寸南破良意(1775)伴頭株「『御まへ買込みか』『ムンニヱ今、よひ立の、お客を返した』」
買収すること。
※大策士(1897)〈福地桜痴〉一五「いやな買収(カヒコミ)かひ初(そめ)に、あたふた出(いづ)る策士たち」

かい‐こ・む かひ‥【買込】

〘他マ五(四)〙
① 物を買って自分の物とする。特に、将来のことを見越して多く買う。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)五「一日に三貫目づつ、雪山のごとく繰綿を買込(カイコミ)
② 物の価値を十分に認める。
社会百面相(1902)〈内田魯庵破調世間眼下に見る御気象を日本因循無気力な婦人社会には珍らしいと大変買込んで」
③ 買収する。
※大策士(1897)〈福地桜痴〉二一「それを使用して君等を買収(カヒコ)み、議場多数を得るに苦心し居る内閣だって」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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