買上(読み)かいあげる

精選版 日本国語大辞典 「買上」の意味・読み・例文・類語

かい‐あ・げる かひ‥【買上】

〘他ガ下一〙 かひあ・ぐ 〘他ガ下二〙
地位権力などの点で上位にある(と考えた)者が、下の者から物を買う。官公庁などが民間から物を買い入れる。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初「我国(こっち)でいふ夜発(よたか)からありんす国のおいらん陀まで買(カイ)あげて」
② すっかり買う。買いつくす。
浮世草子・新吉原常々草(1689)下「はなやかなりし家居(いへゐ)も人すむ所と也 注曰彼うかれ男買あげてかよふべきたよりなく」
競売などで、一段と高い値段をつけていって買う。また、株などを買い続けて値段をあげる。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)三「自己(おいら)アぐっとかい上(アゲ)て、二万両といふ入札にしよう」

かい‐あげ かひ‥【買上】

〘名〙
① 買い上げること。
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉八「天朝御用にて人買上(カヒア)げに出張せりとて」
② (「おかいあげ」の形で) 相手自分の物を買ってくれること。売り手の側から、買い手に対する敬意気持をこめた言い方。
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉一身一家経済の由来「家老奥平壱岐の処に原書を持参して、御買上(カヒアゲ)を願ふと持込んだ所が」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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