権力(読み)けんりょく

百科事典マイペディア 「権力」の意味・わかりやすい解説

権力【けんりょく】

ある人間(集団)が自己の意思に沿って他人(他集団)を行動させるとき,その人間(集団)が権力をもつという。実際は,権力は,他人をその意に反しても実力で強制させるさまざまな形の〈強制力〉,他人に利益を分配する〈価値賦与〉,他人の内面的な服従をかちとる〈権威〉,他人を意識させずに服従させる〈操縦〉などという多元的な側面からなる。近代国家権力はまず強制力とりわけ暴力の集中として始まったが,現代国家においては,権威による服従の獲得と大衆操作が重要な権力手段となる。
→関連項目近代政治学権威主義パワー・ポリティクス

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精選版 日本国語大辞典 「権力」の意味・読み・例文・類語

けん‐りょく【権力】

〘名〙
① 他人を強制し服従させる力。権勢。権柄。〔広益熟字典(1874)〕
※錦木(1901)〈柳川春葉〉二「家の取締と言った風な役で〈略〉此家(ここ)の女皇(にょわう)の如き権力である」 〔漢書‐賈誼〕
② 法律でいう他への強制力。特に、国家や政府の有する政治的権力。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一「律法の権力(〈注〉イキホヒ)に比すれば更に大なり」
※日本国憲法(1946)前文「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、〈略〉その権力は国民の代表者がこれを行使し」

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デジタル大辞泉 「権力」の意味・読み・例文・類語

けん‐りょく【権力】

他人を強制し服従させる力。特に国家や政府などがもつ、国民に対する強制力。「権力を振るう」「権力者」
[類語]勢力威力権勢実権威勢勢い猛威暴威景気権威威厳威信威名いめい威望名望威光威風勢威ちから

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世界大百科事典 第2版 「権力」の意味・わかりやすい解説

けんりょく【権力 power】

勢力,影響力,説得力などと同様,社会的な〈力〉の一種で,通常,制度化された強制力を意味する。狭義には,国家のもつ強制力,すなわち,政治権力,国家権力と同義に用いられる。他方,最も広義には,権力志向型人間,企業内権力闘争等の表現にみられるように,社会的力と同義に用いられる。 社会関係において作用する力という表象は,自然界における物理的力(重力磁力体力),あるいは人間の内面における心理的力(忍耐力自制力)との類推に基礎をもつ。

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普及版 字通 「権力」の読み・字形・画数・意味

【権力】けんりよく

他人を制する地位上の力。〔漢書、遊、万章伝〕、中書令石顯と相ひ善し。亦た顯の力を得たり。門の車、常に轂(こく)を接す。

字通「権」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「権力」の意味・わかりやすい解説

権力
けんりょく

政治権力」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「権力」の意味・わかりやすい解説

権力
けんりょく

政治権力

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世界大百科事典内の権力の言及

【仕事率】より

…出力,工率ともいう。定常的にエネルギーの供給を受けて作動する機械,または機関などが,外部に対し時間的に一定の割合でする仕事を表す量。単位時間内になす仕事で表され,単位はMKS単位でワット,また実用単位で馬力などが用いられる。例えば導体に直流電圧E(V)をかけることにより直流電流J(A)が生ずる場合,この導体の仕事率はEJ(W)で与えられる。また交流電圧E(t)の場合には,それによって生ずる交流電流J(t)を用い,交流電圧の1周期Tにわたる積分で表されるのがふつうである。…

【勢力】より

…個人および集団(社会をも含む)が自己の意思にかなう思考や行動のあり方を,他の個人や集団に実現させうる能力のこと。M.ウェーバーの古典的な定義では,この能力が〈Chance〉と表現されている。他者を自分の意思どおりに動かすためには,自己の能力を他者に承認させうるような相互関係,それも自己と他者との互恵・互酬的なものとは限らないような相互関係が成り立っていなければならない。そしてこの関係にもとづき,またはこの関係を形成する過程で,自己の意思にかなう思考や行動のあり方を他者に承認させる。…

【力】より

…現在の理解では後者を変化させるものは,実は外から働いている力のする仕事にほかならない。Tの変化率dT/dtは力Fのする仕事率,すなわちパワーpowerである。エネルギー
[古典力学における力]
 ニュートンの運動方程式が成り立つのはどんな座標系でもよいというわけではなく,慣性の法則の成り立つ慣性座標系に限られる。…

【動力】より

…機械的な仕事をさせるのに直接利用できるエネルギー,もしくはその働きをいう。英語のpowerの訳語と考えられ,一般に,機械を動かすエネルギー(動力源がもたらす発生動力),その機械によって消費されるエネルギー(消費動力,吸収動力)およびそのエネルギーが機械的な形で伝えられること(動力伝達)に対して動力ということばを使うことが多い。しかし,人力も畜力もりっぱな動力(源)であり,その動力を費やすものがいわゆる機械でない場合もある。…

【べき(冪∥羃)】より

…一つの数,変数,式,または関数を何回か掛けた積を,もとの数,変数,式,関数のべき,あるいは累乗という。x×x,x×x×x,……を,それぞれx2,x3,……で表し,xの2乗,xの3乗,……という。右肩の数字は,何回同じものを掛けたかを表し,これをべき指数と呼ぶ。なお,2乗のことを自乗,または平方,3乗のことを立方ともいう。
[指数法則]
 数,変数,式,または関数x,yと自然数m,nについて,次が成り立つ。…

※「権力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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