責任会計(読み)せきにんかいけい(英語表記)responsibility accounting

日本大百科全書(ニッポニカ) 「責任会計」の意味・わかりやすい解説

責任会計
せきにんかいけい
responsibility accounting

経営管理組織内において、マネジメントを委譲された個人と、その人の管理可能な数値とを結び付けることによって、当該責任者の業績を明らかにしながら、経営全体の業績を効果的に向上させようとする会計制度である。この制度は、もともとコスト・コントロール(原価管理)をより厳密に実行するために登場したもので、その意味で、会計数値の集計単位の中心は原価責任単位(コスト・センター)である。その後、直接原価計算や予算制度の普及に伴って、貢献利益概念などを利用した利益責任単位(プロフィット・センター)の設定が不可欠となった。さらに、事業部制などの分権管理システムの進展は、従来の責任内容に加えて、投資責任単位(インベストメント・センター)の構想を議論する状況をももたらした。この場合の指標としては、投資利益率や投資のコストを控除した残余利益額などが活用されている。

[東海幹夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例