諸宗教宣言(読み)しょしゅうきょうせんげん(英語表記)Declaratio de ecclesiae habitudine ad religiones non-christianas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「諸宗教宣言」の意味・わかりやすい解説

諸宗教宣言
しょしゅうきょうせんげん
Declaratio de ecclesiae habitudine ad religiones non-christianas

カトリック教会文書の一つ。第2バチカン公会議 (1962~65) で採択されたもので,正式名は「キリスト教以外の諸宗教に対する教会態度についての宣言」。カトリック教会が従来他の宗教に対して示した偏狭排他的な態度を改めるため,他の諸宗教,たとえばヒンドゥー教仏教イスラム教などのもつ積極的な宗教的価値を評価し,これらとの平和的共存と,人類の精神的福祉に向っての協力を説いている。特にユダヤ教に注目して,過去において教会がユダヤ人に加えた迫害を反省しつつ,反ユダヤ主義に対する断罪を打出し,キリスト教とユダヤ教の相互理解と尊敬の必要を訴えている。多くの討議曲折を経て,1965年 10月 28日採択,同日公布された。

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