託・喞(読み)かこつ

精選版 日本国語大辞典 「託・喞」の意味・読み・例文・類語

かこ・つ【託・喞】

〘他タ五(四)〙
① あまり関係のないことをむりに結びつけて理由とする。他のせいにする。口実とする。かこつける。
※大乗掌珍論承和嘉祥点(834‐849)「他を誣(カコチ)(かけ)て言はく」
② 心が満たされないのを何かのせいにして恨み嘆く。ぐちを言う。嘆いて訴える。
古今(905‐914)仮名序「秋の夜のながきをかこてれば」
③ 弱い立場のものを守り、大切にする。
三河物語(1626頃)三「汝は命ながらへて、親をかこち、又は我等女子をかこちて、かばねのうへのはぢをかかざる様に頼入成とて」

かこち【託・喞】

〘名〙 (動詞「かこつ(託)」の連用形名詞化) ことよせて恨み嘆くこと。
※浄瑠璃・平家女護島(1719)二「山田もらねど世にあきし、僧都が身こそかなしけれと手を取かはし泣給ふ。かこちは道理去ながら」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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