言語戦争(読み)げんごせんそう

山川 世界史小辞典 改訂新版 「言語戦争」の解説

言語戦争(げんごせんそう)

近代国家成立に伴い,母語の異なる民族間で繰り広げられた公用語制定をめぐる争い。最も激しく戦われた例としてベルギーの場合があり,ラテン系のワロン人とゲルマン系のフラマン人の間で激しい言語戦争が展開した。ベルギーの独立に際して前者のフランス語が優越的地位を得たが,後者抵抗が続き,1993年連邦化による解決が図られた。また英語圏のカナダでも,例えばケベック州においてフランス語の公用化を求める運動がある。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の言語戦争の言及

【言語政策】より

…例えば,エストニアでは,ソ連時代には初等教育の段階でロシア語は初めに週4.5時間,後に2.5時間が割り当てられ,エストニア語の方は中学と高校で週4.5時間教えられていた。
[公用語の制定と言語戦争]
 かつて強大な国家は植民地を支配するにあたり,自国の言語を被支配民族に押しつける政策をとってきた。インドにおける英語,インドシナにおけるフランス語,インドネシアにおけるオランダ語がそうである。…

※「言語戦争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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