言納(読み)いいおさめ

精選版 日本国語大辞典 「言納」の意味・読み・例文・類語

いい‐おさめ いひをさめ【言納】

〘名〙
① 今までたびたび言ってきたことを、それを最後として言うのをやめること。「小言の言いおさめ」
人情本・清談峯初花(1819‐21)初「それを末期のいひ納めにして、息ざしかすかによはりはて」
謡曲などの一節の終わりの部分。謡曲などをうたう時の、その一句の終わり。
申楽談儀(1430)音曲心根あなたを序になして、小謡など云をさめたらば、はたと上げて謡ひなどし、かく違へて、其匂ひを心にかくべし。あなたの云をさめの字の韻を、能々心得べし」

いい‐おさ・める いひをさめる【言納】

〘他マ下一〙 いひをさ・む 〘他マ下二〙
① 約束する。〔書陵部本名義抄(1081頃)〕
② 言い終える。〔文明本節用集(室町中)〕
能楽で、一句切りうたい終える。うたい納める。
※風曲集(1423頃)「さて下げて云ながすこわがかりを、主の声に、入る息の響きに云をさむべし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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