言問・事問(読み)こととう

精選版 日本国語大辞典 「言問・事問」の意味・読み・例文・類語

こと‐と・う ‥とふ【言問・事問】

〘自ハ四〙
ものをいう。口をきく。
万葉(8C後)五・八一二「許等騰波(コトトハ)ぬ木にもありともわが背子手馴(たな)れのみ琴土に置かめやも」
② 話をする。ことばをかける。また、愛のことばをかわす。
※万葉(8C後)四・六〇二「夕さればもの思ひまさる見し人の言問(こととふ)姿面影にして」
③ たずねる。質問する。
伊勢物語(10C前)九「名にし負はばいざ事とはむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」
④ おとずれる。訪問する。やってくる。
※後撰(951‐953頃)春上・七八「年をへて花のたよりに事とはばいとどあだなる名をや立ちなん〈兼覧王〉」
太平記(14C後)一一「妻子従類の外は事問(ことトフ)人も無りけり」

こと‐とい ‥とひ【言問・事問】

[1] 〘名〙 (「ことどい」とも) たずねとうこと。ともにかたること。また、睦(むつ)まじくことばをかわすこと。
※万葉(8C後)五・八八四「国遠き道の長てをおほほしく今日や過ぎなむ己等騰比(コトドヒ)もなく」
[2] (言問) 東京都墨田区向島の北部、隅田川東岸の地域の旧称在原業平(ありわらのなりひら)の歌「名にし負はばいざ事とはむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」にちなむという。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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