褻衣(読み)セツイ

デジタル大辞泉 「褻衣」の意味・読み・例文・類語

せつ‐い【×褻衣】

ふだん着。また、寝巻
船底より―のままなる婦人小児を引き揚げ」〈中村訳・西国立志編

け‐ごろも【×褻衣】

ふだん着。けぎぬ。
「このきぬの色白妙になりぬともしづ心ある―にせよ」〈和泉式部集・上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「褻衣」の意味・読み・例文・類語

せつ‐い【褻衣】

〘名〙 ふだん着。平服。褻(け)の衣。けごろも。また、肌着。ねまき。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一三「船底より褻衣(セツい)(〈注〉ネマキ)のままなる婦人小児を引揚げ数箇小舟に移し拽去しむ」 〔司馬相如‐美人賦〕

け‐ぎぬ【褻衣】

〘名〙 (「褻」はふだんの意) ふだん着。褻着(けぎ)。けごろも。
たまきはる(1219)「けきぬに紫、紅にはあやの青きひとへ重ねて着るは、わざともいみじき事とてありき」

け‐ごろも【褻衣】

〘名〙 (「褻」はふだんの意) 平常着る衣服。ふだんぎ。日常着。けぎぬ。
神楽歌(9C後)明星「すべ神はよき日祭れば明日よりは朱の衣をけごろもにせむ」

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