裏見寒話(読み)うらみかんわ

日本歴史地名大系 「裏見寒話」の解説

裏見寒話
うらみかんわ

五巻・追加付録一巻(六冊) 野田成方著

異記 裡見寒話

成立 宝暦二年序

写本 山梨県立図書館(宝暦四年写)ほか

解説 甲府勤番士として赴任した野田成方が、在任した享保九年から宝暦三年までの三〇年間に見聞した甲斐国内の事象についての記録。書名は著者が吟じたという「葛の葉や裏見て寒し甲斐の不二」による。内容は甲斐の概観に始まり、武田氏の興亡から勤番支配までの歴史、社寺山川・府鄙・名所・古跡・物産・風俗などのほか怪談や方言にまで及んでいる。当時の市中の生活状況もうかがえて民俗学側面からも貴重な資料となっている。なお追加と付録は成方の三男正芳の手になる。

活字本 甲斐叢書六

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報