表見代表取締役(読み)ヒョウケンダイヒョウトリシマリヤク

デジタル大辞泉 「表見代表取締役」の意味・読み・例文・類語

ひょうけん‐だいひょうとりしまりやく〔ヘウケンダイヘウとりしまりヤク〕【表見代表取締役】

実際には会社を代表する権限はないが、社長副社長など代表権を有すると誤解されるような肩書を与えられた取締役。その行為について、会社は、代表権がないことを知らなかった善意の第三者に対して、責任を負う。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「表見代表取締役」の意味・わかりやすい解説

表見代表取締役
ひょうけんだいひょうとりしまりやく

株式会社において,会社を代表する権限を有すると認められるような名称(取締役会長,社長,副社長,専務取締役常務取締役)を付された取締役(会社法354)。本来代表取締役登記事項(911条3項14,22号)であるが,取り引きの迅速性を確保するため,善意相手方に対しては表見代表取締役を代表権あるものとして取り扱うことにしている。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「表見代表取締役」の解説

表見代表取締役

代表取締役でないが重要な肩書きを持つ社長、副社長、専務取締役、常務取締役などの取締役が、あたかも代表取締役であるかのようにふるまっている場合、商法上は「表見代表取締役」として規定される。表見代表取締役が代表取締役として行なった行為は、取引の安全を保護するために、有効となる。2006年現在、商法262条で規定されている。

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世界大百科事典(旧版)内の表見代表取締役の言及

【代表取締役】より

…役付きであっても,代表取締役に選任されていなければ,会社を代表する権限はない。しかし,これらの肩書をもつ取締役には代表権もあると考えられがちであるため,実際に代表権のない場合であっても,その者がした行為につき会社は善意の第三者に対して責任を負わなければならない(表見代表取締役。262条)。…

※「表見代表取締役」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」