表八句・面八句(読み)おもてはっく

精選版 日本国語大辞典 「表八句・面八句」の意味・読み・例文・類語

おもて‐はっく【表八句・面八句】

〘名〙 連歌俳諧において、百韻の場合、懐紙の初折(しょおり)の表にしるす、発句以下の八句。この部分が特に重んぜられた。
※実隆公記‐文明一七年(1485)七月二五日「御連歌也〈略〉面八句可䦰之由也」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)旅立「草の戸も住替はる代ぞひなの家、面(オモテ)八句を庵の柱に懸置く」
[語誌](1)「連歌本式」では百韻を三枚の懐紙に、初折表十句、同裏二十句、中の折四十句、名残の折三十句と記したというが、この表十句が一つの作品としての百韻全体の序に相当する重要な位置を占める。四枚の懐紙を使用するようになって「表」が八句となった。
(2)表八句では、穏やかな作を尊び、神祇釈教、恋、無常、述懐、懐旧、地名人名軍事、病体、怪奇等、深刻複雑な句は避ける規定となっていた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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