衣紋・衣文(読み)えもん

精選版 日本国語大辞典 「衣紋・衣文」の意味・読み・例文・類語

え‐もん【衣紋・衣文】

〘名〙
装束を形よく、着くずれしないようにひだを整えて着用すること。また、装束着用の有職故実。
※今鏡(1170)八「この大将殿は事の外にえもんをぞ好み給ひて」
衣服の折り目。ひだ。
※名語記(1275)六「装束の衣文をひだとなづく」
③ 着物の胸の上で合わさる部分。襟(えり)。襟もと(日葡辞書(1603‐04))。
④ 衣服。身なり。
浄瑠璃・大職冠(1711頃)五「冠もゑもんも打乱れ」
彫刻、絵画などの人物の、肉体の屈伸によって生じる線。
⑥ 柿の栽培品種。渋柿系で、果実は中ぐらいの大きさで扁円形頂点がとがり、へたはくぼみ、頂部に八本の短い溝がある。色は淡朱黄色で白粉を帯び、品質はよい。千葉県など関東に多く、一〇月下旬より採取され、樽柿とする。衣紋柿。
※雑俳・柳多留‐一二〇(1832)「赤染になると右衛門を樽へつめ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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