蟹浦(読み)かにうら

日本歴史地名大系 「蟹浦」の解説

蟹浦
かにうら

現在の蛸島たこじま一帯に比定しうるが、外浦の川浦かわうらにあてる説もある。正院しよういん郷の内。応安五年(一三七二)六月二三日の室町幕府執事下知状、同年七月一八日の室町幕府引付頭人奉書(いずれも吉見文書)に長近江入道母の闕所地として「正院郷内伏見・小泊・毛寿・蟹浦等」とみえ、能登守護吉見氏頼に与えられ、被官五井頼持に所務を執行させた。応永一九年(一四一二)七月二日には能登守護吉見氏後裔で奉公衆の吉見家貞が安堵されている(「足利義持袖判御教書」同文書)。享徳三年(一四五四)一二月二九日の室町幕府奉行人奉書(同文書)によると、現地の代官五井左近将監による押領が進行、これに対し吉見家仲は五井氏に替え新たな代官の入部を試みている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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