蝉折(読み)せみおれ

精選版 日本国語大辞典 「蝉折」の意味・読み・例文・類語

せみ‐おれ ‥をれ【蝉折】

[1] 江戸時代、天和(一六八一‐八四)から元祿一六八八‐一七〇四ごろに流行した男の髪型の一つ。髷(まげ)刷毛先を上へそらして、蝉の形のようにしたもの。
※随筆・天和笑委集(1684‐88頃)八「よしやふうぞくつかみざし、熊谷のあみ笠・丸ぐけの帯、せみをれ・いてふ・五たいづけ」
[2] 横笛の名器。鳥羽天皇の時代に唐の皇帝が寄進してきた漢竹で作った笛。高倉天皇に譲られた。その蝉の部分を高松中納言実平が折ったところからの名称という。
平家(13C前)四「此宮は蝉をれ、小枝ときこえし漢竹の笛をふたつもたせ給へり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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